エンジンフラッシングについて改めて考えてみる

エンジンフラッシングについて改めて考えてみる

カー用品店やガソリンスタンドなどで勧められる事が多い、エンジンフラッシング。

ネットや車に詳しい人の間では
・意味がない
・オイルラインを詰まらせてしまう
・エンジンの状態が悪化してしまう
・エンジンのシールなどにダメージを与えてしまう
等の話をよく聞きます。


○「意味がない」と言う人の意見は、
「オイルにはもともと洗浄効果があり、交換サイクルを守ってオイル交換をしていれば綺麗に保たれている」
との事。

たしかに、理屈はそうだがオイルによって洗浄効果も違うので全般的にそうかと言えば違う。
洗浄効果の高いオイルを使っていれば話は違って来ますが、洗浄効果が低いエンジンオイルでは汚れを落としきれないし、長年使っているとどうしても汚れは溜まってくる物だと僕は考える。



○「オイルラインを詰まらせてしまう」と言う人の意見は、
「即効性のフラッシングオイルは汚れを剥がして取り除くので、剥がした塊でオイルラインが詰まってしまう恐れがある。」


その通りだと思います。
特に「ターボエンジン」は、オイルをエンジンから供給するのにオイルインレットパイプというものを使い、それをユニオンボルトというものでエンジン側とターボ側を止めて、この小さな穴をオイルが流れている。

これがユニオンボルトとオイルインレットパイプなのですが、ユニオンボルトの穴に注目すると１ｍｍ程の穴が空いているのですが、このラインが詰まってしまうとターボにオイルが回らなくなるのは誰でも想像できるのではないでしょうか。
これが、ターボエンジンをフラッシングするとターボが壊れる可能性があるといわれる理由です。

どうしてもやりたければ、遅行性の汚れをじっくり溶かすタイプで、オイルベースの添加剤でのエンジン内洗浄であれば問題はないと思います。
・ワコーズ　ｅクリーンプラス
・SOD1 plus 
などが、溶かすタイプの添加剤です。


○エンジンの状態が悪化してしまう
○エンジンのシールなどにダメージを与えてしまう

「オイル以外の成分が残留したりしてエンジンの状態が悪化してしまう」
「パッキン、シールを傷めてしまう」
「汚れが詰まっていたおかげで漏れなかった箇所が綺麗にした事によって、急に漏れだす」

など。


オイル以外の成分はフラッシング剤を抜いて、新しいオイルを入れたとしてもどうしても残ってしまいます。
※エレメントは交換したものとします。

１００％フラッシング剤を抜く事が出来ないので、結果次のオイル交換まで、抜けなかったフラッシング剤が混ざった状態でエンジンを動かしてしまいます。
即効性のフラッシング剤が残ったのであれば、せっかく張った油膜を剥がしたり、シールを傷めたりとエンジン内で色々悪さをします。
また、せっかく張った油膜がすっかり取れた状態なので、しっかり油膜が張るまで、エンジン摩擦部分は摩耗しやすい環境になります。
パッキン、シールを傷めてしまう成分が含まれている場合が多いのも即効性フラッシング剤の特徴です。
なので、即効性のフラッシング剤や、機械を使ってのフラッシングはやめておいた方が良いと思います。


エンジン内部を洗浄した事でのオイル漏れは、その箇所のパッキン、シール等を交換すれば良いと思います。
そもそも、汚れがその箇所に塊としてあったから今までオイルが漏っていませんでした。ってのも、放置しておけば汚れがたまりやすい環境になってしまうし、後々大きな故障に繋がる可能性だってあります。
元々は、年数劣化などでその箇所のパッキン、シールは悪くなっていたのですから新しいのに交換するしかないのです。

ーーオマケにもう一つーー
エンジンオイル交換したばっかりなのに、オイルが黒くなっている。汚い。エンジンが汚れてる。
って、言っている人も何人か見てきましたが、オイルラインが汚かったから黒くなったわけではない事を知ってほしい。
オイルの中には、かなり小さなレベルでの不純物が入っており熱を加えただけで不純物が加熱され黒くなります。

上の動画を見てもらえば分かりますが、MOTUL300Vパワーレーシングをいう高級オイルでさえ、熱を加えただけで黒くなります。
オイルの油温が上がると、それだけでオイルは黒くなってしまいます。
なので、オイルが黒いからと言ってエンジン内部が汚れているではないという事が分かります。
ーーおまけ　おわりーーー

○総評
結果、店やスタンドでフラッシングを勧められても、やらない方が良いというのが僕の考えです。
即効性のフラッシングしか勧めてこないし、人ってすぐに効果が表れる物はすぐに欲しいとなるが、遅れて効果が表れる物にはお金を出し渋るので、売り手としては即効性の方が売りやすいんでしょうかね？

フラッシングする目安は、ヘッドカバーを開けて汚れがこびり付いていたらで良いと思います。
汚れていないのにやったって効果なんてありませんし、これをやったから燃費が良くなるかというと、そうでもなったという人の方が多いでしょう。

それでもエンジン内部が汚れているので、どうしても綺麗にしたい方は、オイルベースの添加剤がお勧めです。

・ワコーズ　ｅクリーンプラス　オイル量3～6Lに１本使用
・SOD1 plus 　入れたオイル量の１０％（３Ｌだったら、３００ｍＬ）

これは、実際に使った事がありエンジンを傷めず、オイル詰まりにならないオイルベースの遅効型の添加剤です。

エレメント交換のない時にオイルと一緒にいれてやるだけで綺麗になります。

SOD1 plus　に至っては、洗浄効果だけでなく、エステルが油膜を張り潤滑性が増すので、燃費効果も若干現れるかと思われます。
朝一でエンジンをかける、ドライスタート状態からもエンジンに膜を張り守ってくれます。
※ドライスタート　数時間エンジンをかけない状態でオイルがすべて下に落ち、油膜が張られていない状態の事

エンジンの他に、ミッション、ＡＴＦ、デフオイル、トランスファー等から異音がしたり、調子がおかしい時にこの添加剤を入れてあげると直る事が多々あるそうです。

フラッシングに興味のある方は、この方法だと安全にエンジンを洗浄する事が出来ますので、是非試してみてください。